妙建寺「格天井」は享保2(1717)年から享保17年まで16年の歳月をかけて建立再建された本堂を、三百年の長さにわたり彩ってきました。格天井には「小倉百人一首」が54枚描かれており、その中心には龍図、欄間には天女の彫刻が左右に飾られています。寺院建築で「百人一首」が描かれた格天井は珍しく、全国でもあまり例を見ません。天井画は約60㎝四方で、白く塗られ木肌の持ち味を生かした40㎝位の丸い円の中に、歌や人物が鮮やかに彩られています。
しかし2011年の東日本大震災以降、本堂が徐々に傾いたため、2018年に本堂を再建することが決定。格天井や欄間彫刻は一旦取り外し、丁寧な調査・修復保存することになりました。荒井経 東京藝術大学大学院教授の監修の下、保存修理された格天井画・欄間は2023年3月新本堂に戻され、妙建寺の歴史を今に伝えています。